2024年1月2日、羽田空港で日本航空機と海上保安庁機の衝突事故が発生しました。
原因として、時間に追われるあまり判断が鈍る「ハリーアップ症候群」に機長らが陥っていた可能性がありました。
では、ハリーアップ症候群とは、どのようなものでしょうか。
ハリーアップ症候群とは
時間的なプレッシャーや急かされる状況下で生じる心理的なストレス状態を指します。
この症候群には以下のような特徴があります。
・焦燥感やイライラの増加
・注意力の散漫化
・判断力や意思決定能力の低下
・ミスや事故の発生リスクの増大
焦燥感とは、理由がないのに焦りを感じたり、落ち着かない状態が長く続いたり繰り返されたりする症状です。
ハリーアップ症候群の背景には、現代社会における以下のような要因があります。
・効率重視の風潮
・情報通信技術の発展による即時的なコミュニケーションの要求
・仕事や生活におけるタスクの増加
この症候群は、ストレスの増大、ミスや事故の増加、人間関係の悪化、生産性の低下などをもたらす可能性があります。
なりやすい人の特徴を5つ
ハリーアップ症候群になりやすい人の特徴を5つ挙げます。
①効率重視の人
常に「効率」や「スピード」を求める傾向が強い人は、時間に追われやすく、ハリーアップ症候群に陥りやすい傾向があります。
②情報通信機器への依存度が高い人
スマートフォンやSNSを頻繁に使用し、即時的なコミュニケーションに慣れている人は、常に「すぐに返信しなければ」という圧力を感じやすくなります。
③タスク過多の人
仕事や家庭生活で多くのタスクを抱えている人は、「次々にこなさなければ」という意識から焦燥感を感じやすくなります。
④優しい性格の人
他人からの要求や期待に応えようとする優しい性格の人は、急かされやすく、ハリーアップ症候群に陥りやすい傾向があります。
⑤負けず嫌いな人
負けず嫌いな人は、焦りを感じやすく、ハリーアップ症候群になりやすい可能性があります。
なりやすい職業
ハリーアップ症候群に陥りやすい職業には、以下のようなものがあります。
時間的制約の強い職業
医療従事者:特に救急医療や手術に携わる医師や看護師は、常に緊急状態です。
航空業界:パイロットや航空管制官は、厳密なスケジュールと安全性の確保に追われています。
金融業界:刻々と変化する市場に即座に対処しなければなりません。
高度な効率性が求められる職業
IT業界:システムエンジニアやプログラマーは、厳しい納期と高い生産性を要求されます。
広告・メディア業界:締め切りに追われるクリエイティブ職や編集者は、常に時間との戦いです。
顧客対応が中心の職業
接客業:飲食店スタッフやホテル従業員は、迅速なサービス提供を求められます。
コールセンター業務:オペレーターは短時間で多数の顧客対応をこなす必要があります。
その他のストレスの高い職業
警察官や消防士:緊急事態への即時対応が求められ、常に緊張状態にあります。
教育者:授業の準備や生徒指導など、多岐にわたる業務をこなす必要があります。
防ぐための日常生活の習慣は
ハリーアップ症候群を防ぐための日常生活の習慣として、以下のようなものがあります。
マインドフルネスや瞑想の実践
毎日数分間でも呼吸に意識を向けるマインドフルネスや短時間の瞑想です。
心を落ち着かせをストレスを軽減できます。
タスクの優先順位付け
「To-Doリスト」や「タイムマネジメントツール」などのタスクの優先順位付けアプリを活用することです。
タスクの重要度や緊急度を整理して取り組むことで、無駄な焦りを抑えられます。
デジタルデトックスの実践
スマートフォンやSNSから意識的に距離を置く時間をとりましょう。
特に夜間や休日は通知をオフにしてリラックスする時間を確保しましょう。
運動や趣味の時間の確保
軽い運動や趣味に没頭する時間を作ることで、気分転換を図り、ストレスを軽減できます。
正しい姿勢の意識
デスクワーク中は猫背にならないよう気をつけ、良い姿勢を保つよう心がけます。
1時間に1回程度、姿勢をリセットする習慣をつけるのも効果的です。
ストレス解消法の実践
好きな音楽を聴く、テンポよく歩く、深呼吸をする、自分の気持ちを誰かに話すなど、自分に合ったストレス解消法を見つけ、実践しましょう。
まとめ
これらの習慣を日常生活に取り入れることで、焦りを抑え、心の余裕を持つことができ、ハリーアップ症候群の予防につながります。