引用元:https://news.denfaminicogamer.jp/news/240919f
任天堂と株式会社ポケモンは、ゲーム「パルワールド」を開発した株式会社ポケットペアに対して特許権侵害の訴訟を提起しました。
この訴訟は、特に「モンスターを捕獲するシステム」に関する特許が焦点となっており、ポケモンシリーズの「モンスターボール」を投げるメカニズムに似ているとされています
任天堂の姿勢
引用元:https://jp.reuters.com/markets/japan/NMIG5SKS4BJNLHFIDOWI4ZNWJY-2024-05-08/
任天堂は、ゲームシステムに関しての特許権を多数持っており、現在のゲームを製作するには、特許権に引っかからないものはありません。
しかし、任天堂は「ゲーム業界の発展」ということで特許権に引っかかる場合でも、ある程度までは許容してきました。
では、なぜ今回は訴訟を起こしたのでしょうか?
訴訟の背景
引用元:https://akatsuka-law.jp/column/preparation-for-filing-suit.html
「パルワールド」は、プレイヤーが「パル」と呼ばれる生物を捕まえ育成するオープンワールドサバイバルゲームです。
このゲームシステムがポケモンシリーズと類似しているとの指摘があり、特にモンスターを捕まえるためのシステムがポケモンの“モンスターボールを投げる”メカニズムに似ているとされています。
特許権侵害の詳細
「パルワールド」で出てくる「パル」の見た目が「ポケモン」に類似しており、著作権侵害ではないかと前々から話題になっていました。
今回、任天堂は著作権ではなく特許権を理由に訴訟を行い、具体的な技術やシステムに焦点を当てています。
これにより、「パルワールド」の販売差し止めや損害賠償の可能性も考えられています。
過去の訴訟
引用元:https://colopl.co.jp/
任天堂は、特許権侵害に関する訴訟をいくつか経験しており、特にコロプラとの訴訟が注目されています。
この訴訟は2018年に始まり、任天堂がコロプラのゲーム「白猫プロジェクト」が自社の特許を侵害していると主張したことから始まりました。
2021年8月4日、任天堂とコロプラは和解に至り、コロプラが任天堂に対して33億円の和解金を支払うことで決着しました。
この和解金には、今後のライセンス使用料も含まれているとされています。
今回の場合も同様に、約30億円程度の和解金が発生す可能性が高いです。
SNSでの反応
SNS上では、ポケットペアの代表取締役社長である溝部拓郎氏の過去の発言が再注目され、「ポケモンへのリスペクトがない」と批判されています。
また、「パルワールド」のデザインやゲームシステムについて「模倣」や「パクリ」といった声が多く見られ、ユーザー間で激しい議論が展開されています
一方で、パルワールドの独自性を評価する声もあり、ゲームの購入を呼びかけるキャンペーンも展開されています。しかし、ポケットペアが「炎上商法」を行っているとの批判もあり、意見は分かれています
ポケットペアの反応
引用元:https://www.green-japan.com/company/8703
ポケットペアは、訴状をまだ受け取っていないとしつつも、「ファンやインディー開発者が自由な発想を妨げられないよう最善を尽くす」と述べています。
また、彼らはこの訴訟がゲーム開発以外の問題に多くの時間を割かせる可能性があることを懸念しています。
ポケットペア社は、訴状をまだ受け取っておらず、任天堂側の主張や具体的な特許権の内容について確認できていないと述べています。
そのため、ゲーム『パルワールド』の運営や提供に関しては、現時点で中断や変更の予定はないと強調しています。
海外の反応
この訴訟に対する反応は、日本国内と海外で大きく異なっています。
海外ではポケットペアを支持する声が多く、「任天堂が企業をいじめている」といった意見も見られます。
このように、『パルワールド』を巡る任天堂とポケットペア社の訴訟は、単なる法的問題に留まらず、インディーゲーム開発者や業界全体に対する影響も考慮されるべき重要な事案となっています。
今後の展望
この訴訟は、任天堂が自社の知的財産権を守るために行動した結果であり、業界全体における知的財産権の重要性が再認識される契機となるでしょう。
今後の展開によっては、ゲーム業界全体に影響を及ぼす可能性があります。