河野太郎氏は、2024年9月3日にXにて公約であるデジタルセーフティネットの一部で「年末調整を廃止して、すべての国民に確定申告を」という内容をポストしました。
このポストの内容で世間に賛否両論の意見が出ています。
河野太郎氏の提案の要点
引用元:https://hibaraito.jp/contents/column/hr164
河野氏の提案は、マイナンバーを中心に据えた税務手続きの大幅なデジタル化です。具体的には、以下のポイントが挙げられます。
情報連携の強化
税務署、年金機構、自治体など、税や保険料の情報が必要な機関に対して、マイナンバーを使って個人の所得や税情報を一元的に連携します。
自動入力と表示
これらの情報は、マイナンバーを利用して名寄せされ、マイナポータルに表示されると同時に、e-TAXやeL-TAXに自動入力されるようになります。
年末調整の廃止
これまで企業が行っていた年末調整を廃止し、全ての国民が自分で確定申告を行うことが義務付けられます。
自動計算と手入力の簡素化
確定申告では、雑所得の経費のみが手入力となりますが、それ以外の入力や計算は自動で行われるため、申告手続きが大幅に簡素化されます。
この提案がもたらすメリット
手続きの簡素化と時間の節約
確定申告がネット上で自動化されることで、個人が申告書を手書き作成する手間が省けます。
特に、これまで複雑な計算や入力作業に時間を取られていた部分が自動化されることで、国民の負担が大幅に軽減されるでしょう。
正確性の向上
自動入力と自動計算により、人的ミスが減少し、より正確な申告が可能になります。
また、情報が一元管理されることで、税務署や自治体側での確認作業も迅速かつ正確に行えるようになるでしょう。
透明性の向上
マイナポータルを通じて、自分の所得や税情報をリアルタイムで確認できるようになるため、個人の財務状況に対する透明性が高まります。
これにより、自分の納税状況をより把握しやすくなり、計画的な資産管理が可能になります。
行政コストの削減
確定申告の自動化により、行政側の処理コストが削減され、より効率的な税務行政が実現されることが期待されます。
年末調整の廃止に伴い、企業側の負担も軽減されるでしょう。
考えられるデメリットと懸念点
デジタルリテラシーの格差
すべての国民に確定申告を義務付けるとなると、デジタル技術に不慣れな高齢者やITリテラシーの低い層にとっては、大きな負担となる可能性があります。
この問題に対応するための支援や教育が不可欠です。
セキュリティとプライバシーの懸念
個人情報がマイナンバーを通じて一元管理されることで、情報漏洩やハッキングといったセキュリティリスクが高まる可能性があります。
特に税や収入に関する情報が不正に取得されると、個人の財務情報が悪用される危険性もあります。
経費の手入力負担
雑所得の経費のみ手入力が必要とのことですが、経費の計上方法が複雑な場合、依然として一定の手間が残る可能性があります。
特にフリーランスや自営業者にとっては、この点が課題となるかもしれません。
移行期間中の混乱
この新しいシステムへの移行期間中、システムトラブルや手続きの混乱が起こるリスクも考えられます。
特に、移行期間における一時的な混乱をどう抑えるかが重要な課題となるでしょう。
まとめ
河野太郎氏が提案したマイナンバーを活用した税務手続きの自動化は、確定申告を簡素化し、国民の負担を軽減する可能性を秘めています。
しかし、その実現にはデジタルリテラシーの向上やセキュリティ対策といった課題も多く、慎重な準備と実行が求められます。
この改革が成功すれば、税務手続きがより効率的かつ透明になり、日本全体の行政サービスの質が向上することが期待されます。
国民一人ひとりが自分の税務に対して理解を深め、より責任を持つことができる新しい時代が、すぐそこまで来ているのかもしれません。